藤沢の「わが住む村」読書会<第2回>が開催されました。


藤沢のブックカフェBOOKYさんで小さくはじまった「わが住む村」読書会。その2回目が開催されたとのこと。読書会発起人の石黒さんより報告が届きました。

山川菊栄が終生暮らしたこの藤沢村岡の地で、山川菊栄について語り合う会が開かれていたらどんなによいことか。そんな思いで提案させていただいた読書会。前回・5月の会も、お集まりいただいたみなさんの“菊栄愛”にあふれ、お話しがいつまでも止まない楽しい会となりました。今回は「わが住む村」の私の「推し」の章をもちよって語り合う会とし、6月23日日曜日に同じくBOOKYさんで開催しました。
 前回参加の3人と今回初参加の3人、あわせて6人(加えて書面参加1人)の「推し」の「わが住む村」がそれぞれ発表され、みなさんがそれぞれ違う感想をお持ちになり、共感するところ、気づかされるところ、さまざまでした。
 感想としてあげられた事柄を並べてみますと。海の描写、潮騒の音。凧あげの音(秦野の大凧)。ザリガニと蛭。明治天皇の東幸が通った東海道。家業として自分たちの着る物のための綿作りと機織り。正月の準備。柏尾川の改修工事と小塚にあったという手彫りのトンネルの話。高砂の桃。「夜なべ」の語源。地下足袋の由来。。などなど。。
 戦中まではまだ東京郊外の農村だったこの藤沢の村岡。地域の古い慣習や、特に女性の労働力に頼り切った行事などには、山川菊栄ならきっと社会評論として苦言の一つも書きたかったに違いない。そこをこらえて、地域の方々からの聞き書きに徹し、淡々と記録にとどめた文章だからこそ、この本はいままでも読み継がれているのでしょう。書かれている行事や地名など、この地域の方々に聞いてみないと分からないことがまだまだありそう。この本は一読しただけではもったいない。


 ということで、今後も毎月1回の開催を約束し、当面はこの『わが住む村』を精読していくことにしました。
 次回は、7月27日土曜日14時から。『わが住む村』の冒頭3節、「雲助の東海道」「助郷(すけごう)の禍」「黒船来る」を精読します。事前にお読みの上、気になることは各自調べたりまとめたりご自由に(しなくてもOK)してお集まりください。参加費は無料ですが、お菓子もおいしいBOOKYでのオーダーをお願いします。

読書会に関するお問い合わせは山川菊栄記念会にお願いします。

BOOKYさんへの藤沢駅からの行き方:藤沢駅から徒歩20分くらい。

大船駅から:船32・33番 大船駅西口発〜藤沢駅北口行 柄沢橋下車すぐ(所要時間約10分)

藤沢駅から:神奈中バス 藤32・33番 藤沢駅北口発〜大船駅西口行 柄沢橋下車すぐ(所要時間約8分)

千代田区男女共同参画センターで企画展示「女子の学びを切り開いた女性たち」と講演会が開かれます

東京の営団地下鉄・九段下駅からほど近く、千代田区役所と同じビルの10階に千代田区男女共同参画センターMIW(みゅう)があります。

男女共同参画週間の企画として、柚木麻子(ゆずきあさこ)さん執筆の小説『らんたん』に描かれた人物を通じて女性の教育に尽力した人々を紹介する「女子の学びを切り拓いた女性たち~小説『らんたん』の登場人物から」展がMIW交流サロンで開催され、山川菊栄も登場予定です。(6月17日(月)~29日(土)まで、開館時間9:00~21:00、期間中の休館など詳しい情報はセンターサイトをご覧ください。)

この小説によって大正デモクラシーの女性群像と山川菊栄を知ったという若い人も少なくありませんが、作者の講演会「柚木麻子さんと考えるシスターフッドのこれまでとこれから」(6月22日(土)午後2時~3時30分も、保育サービスつきで対面とオンライン両方で参加者を募集中です。

男女共同参画週間とは、内閣府の男女共同参画推進本部が実施する啓発週間で毎年、1999年の 男女共同参画社会基本法の公布・施行日である6月23日からの1週間、29日までとなっています。山川菊栄が労働省婦人少年局長として始めた「婦人週間」(のちに「女性週間」と改称)は初の女性参政権行使を記念した4月10日から1週間でしたが、2000年にこの男女共同参画週間にその役目をバトンタッチしました。キャッチフレーズは全国から募集して決定され、今年度は「だれもがどれも選べる社会に」が2000件以上の応募のなかから選ばれました。

なお、千代田区と言えば、番町四丁目(現・九段北)が山川菊栄生誕の地、よく通ったという博文館の大橋邸に開設された私立大橋図書館(現・三康図書館)、文筆の道へとつながっていった「閨秀文学会」が開催されたユニバーサリスト教会は震災前九段中坂下に存在していました。ほかにも開学当時の女子英学塾(のちの津田英学塾)跡(現・英国大使館そば)、戦後に初代局長となる労働省婦人少年局の最初の事務室が置かれていた、近衛師団司令部庁舎(北の丸公園内、旧・東京国立近代美術館工芸館)など、ゆかりの地がたくさんあります。

このサイト内にゆかりの地マップもありますので、緑のきれいな季節にそうしたスポットを訪ねるウォークも合わせて楽しんではいかがでしょうか。

藤沢で山川菊栄の読書会が始まりました。

神奈川県藤沢の村岡は山川菊栄が均とともに移り住み「湘南うづら園」を経営し、それを閉じた後も終生住まい続けた土地です。当時、鎌倉郡村岡村といった、その村で人々からの聞きとりや厚生省研究所の統計資料も利用して著したのが『わが住む村』(1943年、三国書房)でした。この本を題材にしながら小さな読書会が始まりました。

気持ちよく晴れて初夏の光がまぶしい5月18日(土)の午後、4月にドキュメンタリー映画上映の行われたBOOKYさんに、藤沢在住を中心とする菊栄ファンが7名が集まり、『わが住む村』の読書感想と懇談で、2時間があっという間に過ぎました。

自宅があった村岡の公民館には「山川均宅」と書かれている大きな地図が掲げられていますが、初めて行った人はちょっと気が付きにくかったという声もあります。均の直筆と思われる端正な線と字でかかれた、当時の古地図を見つめながら、現在との変化に話題が集中。いまもこれはある、ここは変わった、との会話の中で、改めて、菊栄が歩いて聞き取りにまわった範囲の広さも浮き彫りになりました。宅地開発が進みすっかり風景が変わってしまっていても、地元とそこで暮らしやすい生活への想いを菊栄から引き継ぎたい、という熱気にあふれたこの読書会は、来月も『わが住む村』で続きます。

各自、私のいち推し「章」を語るというゆるい課題で、6月23日(日)14時から16時、BOOKYさんのおいしい飲み物やお菓子をそれぞれで注文しお支払いください。『わが住む村』の持参もお忘れなく。問い合わせは山川菊栄記念会にお願いします。

日程変更のお知らせはこちらのページに追記します。

藤沢のBOOKYさんで開かれたイベントに参加しました。

4月7日に開かれた藤沢でのイベントに参加しました。箱根駅伝では重要なポイントの一つである遊行寺手前を大船方面に向かった柄沢橋というところに、BOOKYさんがありました。大きなリビングを改装した空間で、窓際の壁面にある本棚を自分の選書で埋めて売ることのできるシェア型ブックショップであり、居心地の良い素敵なカフェでもあります。山川菊栄のドキュメンタリー映画「姉妹よ、まずかく疑うことを習え」では、山川菊栄記念会代表だった故・井上輝子さん、婦人問題懇話会当初からの会員であり先ごろ急逝された赤松良子さんの映像に、改めてこの映画の記録的な意味が年々深くなっていくのを感じざるを得ませんでした。

藤沢市の広報で紹介されたことのある山川夫妻と、藤沢で書かれた戦時中の著書

参加者は男女20人ほどで、お父さんに連れられた小学5年生の男の子が最年少でした。記念会の山田事務局長が山川菊栄の人となりの話のあと、意見感想を交換しあいました。昭和10年から山川夫妻が終の棲家とした藤沢・みろく寺に当時の面影は全くといってよいほど残っていませんし、また、戦時中経営していたうずら園のことを知る人はほとんどいないのですが、そのことを知りたいという想いは会場の静かな熱気から伝わってきました。
 帰りに弥勒寺近くにあった山川菊栄の家の跡地に、ウッドテイストのおしゃれな家々が建っている様子を確認しました。中学校のすぐ横の場所でした。校門には大きな桜が静かに咲き誇っていました。

山川菊栄が暮らした藤沢のブックカフェで映画「姉妹よ、まずかく疑うことを習え」の上映会があります。

日時 2024年4月7日(日)14:00~16:00 ドキュメンタリ―映画上映のあと記念会事務局長山田敬子のトークの後、感想や意見交換となります。

主催・場所 シェア型本屋&カフェ BOOKY 藤沢駅北口からバス約15分、柄沢橋下車

協力 山川菊栄記念会  参加費 1500円(ドリンクつき)

予約はBookyさんに直接お願いします。

今年も国際女性デーのウィメンズマーチ東京に記念会として賛同し、参加しました。

3月8日は国連が定めた国際女性デーです。昨年に引き続き、今年も山川菊栄記念会としてウィメンズマーチ東京2024実行委員会の呼びかけに賛同しました。参加の言葉は100年以上前に、女性の自己決定権を鮮やかに言い当てた「男が決める女の問題」(1918年)の次の名言を選んで出しました。文部省が女性教育の方針を男性だけで決めることへの異議申し立てとして書かれた一節です。

「私たちはいつ私たち自身の魂を形成する権利を彼らの手に委ねたか。そして私たちはいかなる理由によって、私たち自身の意思を無視して審議し決定せられた彼らのいわゆる教育方針なるものに従って、生ける傀儡となって果つべき義務を認めねばならぬか。かく疑うことは私たちの自由でなければならない。.

私たちの若き姉妹よ、まずかく疑うことを習え。かく疑うことを知った時、そしてこの疑いをあくまで熱心に … あくまで執拗に追及することを学んだ時、そこには私たち婦人の救いの道が開けてくることを、ただそこにのみ開けてくることを覚らるるであろう。

「男が決める女の問題」『新日本』(1918・大正7年11月号)より」

中央のトートバッグは「百年の二度寝」さんによる制作

参加参加団体は現場でいただいたアピールやイベント案内などのフライヤーから去年より多様な広がりが感じられ、主催者発表の参加人数は480人でした。

早速、Youtube上にライブ映像配信されたのは、「こばと通信-声を上げる市民₋」さんです。夜の渋谷をマーチしながら、「疑うことは私たちの自由」そして執拗に追及することを学んだ時「道が開けてくる」、と100年以上前に希望を説いた山川菊栄の言葉を再びかみしめました。

東京・杉並「国際女性デー ミモザまつり」が開催されます。

3月8日は国際女性デーを記念して、各所でいろいろなイベントが開催されるようになりました。

杉並区立男女平等推進センターで、3月6日(水)から8日(金)まで「ミモザまつり」(主催・杉並女性団体連絡会)として、『青鞜』復刻版などの図書やパネルの展示と輪読会が開催されます。

パネル展示では市川房枝と山川菊栄をテーマに、また、輪読会(3月7日午後13:30~)では山川菊栄の評論集の一節をとりあげるとのことです。

連絡先はチラシ画像をご覧ください。

ひな祭りはWikigap in Kanagawaでお会いしましょう。

インターネット上の世界最大の百科事典「ウィキペディア」の女性に関する記事は男性に比べて少ないと言われています。書き手と内容の偏りが生み出している、Web上のジェンダーギャップ解消をめざし多様性のあるネット社会にしていこうという活動、WikiGap(ウィキギャップ)は、スウェーデン外務省とウィキメディア・スウェーデン協会が始めたキャンペーンで、2019年に駐日スウェーデン大使館で世界に先駆けて開催されました。

これに呼応した神奈川の実行委員会は、2019年、2021年(オンライン)と開催を重ねてきています。

今年は神奈川ゆかりの山川菊栄と山川菊栄文庫について理解を深め、山川菊栄のページとともに神奈川ゆかりの女性たちのページも充実させていこうとの趣旨で開催されます。

午前のパートでは記念会から「いま、もっと新しい山川菊栄」と題してお話することになりました。事務局長の山田敬子と世話人の山口順子が担当いたします。
定員20名と限られていますが、ウィキギャップに関心のある方、アカウントを事前に登録して、ぜひご参加ください。チラシPDF


◆日時:2024年3月3日(日) 10時00分から16時30分
◆場所:神奈川県立図書館 本館4階 学び⇔交流エリア
https://www.klnet.pref.kanagawa.jp/user…/access/yokohama/
主催:WikiGapかながわ実行委員会
共催:神奈川県立図書館 
後援:山川菊栄記念会

◆定員:20名(先着順)
◆参加費:無料◆申込み期間:2024年2月29日(木)まで
◆申し込み方法:こちらのフォームからお申し込みください。
複数人で参加希望の場合、お手数ですがお一人ずつお申し込みください。

定員になりましたので締め切りました。

◆プログラム
9:30受付
10:00開会
ミニレクチャー
・WikiGapについて(WikiGapかながわ実行委員会)
・「いま、もっと新しい山川菊栄を!」(山川菊栄記念会)
・神奈川県立図書館の男女共同参画関連資料と山川菊栄文庫について(県立図書館)
11:30-13:00 昼休み ~昼食のとり方には注意が必要です。
13:00
ウィキペディアの編集方法について(WikiGapかながわ実行委員会)
神奈川県立図書館の使い方・資料紹介(県立図書館)
調査・執筆
16:00 ふりかえり
16:30閉会

◆持ち物やウィキペディアアカウントの事前取得、昼食のとり方についての諸注意など詳しくはフェイスブックイベント内のこちらをご覧ください。

すてっぷ・とよなか男女共同参画推進センターで山川菊栄のドキュメンタリー映画作品と山上千恵子監督のトークが開催されます。

きたる2月11日(日)14;50から、大阪府豊中市のすてっぷ・とよなか男女共同参画推進センターで、株式会社旦々舎との共催によって、ドキュメンタリー作品「山川菊枝の思想と活動 姉妹よ、まずかく疑うことを習え」の上映と、山上千恵子監督のトークが催されます。

「私からあなたへ 映画は未来へのメッセージ」と題した、山上監督、浜野佐知監督、山本洋子監督の三人展の一環で、「矢臼部物語 北の大地からのメッセージ」(2021年)、山本監督作品、11日午前上映)「雪子さんの足音」(2019年、浜田監督作品、12日午前上映)とともに、12日には映画研究者を交えたシンポジウムも予定されています。

詳しくは、https://toyonaka-step.jp/events/sponsored/biz20240 をご覧ください。

本日1月27日午後も、栃木県小山市の本屋さんスローテンポ書店さんで、昨年刊行された花束書房さんの『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』の読書会が開催されるとの新米書店員さんのツィートに、花束書房さんが反応しているのが見られます。スローテンポ書店さんでは毎月第4土曜日に読書会が開かれているとのことです。

年明けから、全国各所で山川菊栄関連イベントが始まっています。

東京ウィメンズプラザフォーラムで、ミモザウエイズ東京公演映像を上映予定とのことです。

今年の2月のニュースでお知らせしましたミモザウェイズの日本の女性史を演劇で表現した映画プロジェクトですが、11月12日の東京ウィメンズプラザフォーラムで、その一部が上映されるとのことです。東京・福生の公演では山川菊栄のポートレイトが舞台で大きく映されていたことを思い出します。

このイベントは、OP-CEDAWアクション東京が企画した、選択議定書批准について理解を深めるユニークな集会です。1985年に日本が批准した女性差別撤廃条約ですが、1999年により実効性を高める個人通報制度と調査制度を含む選択議定書が採択されました。日本はまだこれを批准していないため、批准に向けて政府への要望や啓発活動を進めているのがOP-CEDAWアクション東京です。ぜひご参加ください。

東京ウィメンズプラザフォーラム OP-CEDAWアクション東京 企画 「ミモザウェイズ」を見て語ろう! 女性差別撤廃条約

女性史100年を描いた演劇「ミモザウェイズ」動画より1910年代を視聴後、女性差別撤廃条約と選択議定書を知り、グループディスカッションで未来を語り合います。

日 時:2023年11月12日(日)13:30~15:30
場 所:東京ウィメンズプラザ ホール

参加費:500円
【プログラム】
●演劇「ミモザウェイズ」動画(1910年代)視聴(30分)
●コントで演じる「女性差別撤廃条約と選択議定書」
●グループディスカッション
●報告と語り合い

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