山川菊栄ゆかりのアーチストたちの活動

以前、雑誌『婦人のこえ』の表紙絵を描いた小川まりさんのことをこのニュースで紹介しました。どのような経路で表紙絵が実現したかは不明ですが、室内の花の画がこの雑誌に清楚な美しさを与えていました。小川さんの血縁には女性画家がおられ、春陽会会員として現役でご活躍中です。人の精神や情念を追求する抽象画の表現者として草分けのような方で、このほど春陽会に出品されている作品を国立新美術館(東京・六本木、4月27日で終了)に拝見しに行ってきました。

右下のポストカードは小川洋子さんの「献花」という作品。



同じ六本木のミッドタウンにあるフジフイルム スクエアでは、 写真歴史博物館の企画写真展として、潮田登久子さんの「マイハズバンド」展を開催中です(6月30日まで)。神奈川県立図書館蔵山川菊栄文庫資料(整理中)のタイプライターや日記を撮影していただいたことがあり、そのときはお連れ合いの島尾伸三さんもご一緒でした。作品は写真集『改修前 前川國男設計 神奈川県立図書館』』に掲載されています(図書館新館の1階・猿田彦カフェのみで発売)。

また、長野県安曇野市立文書館では『望月桂 自由を扶くひと ― 犀川凡太郎の人生漫歩』展が8月30日まで開催中です。望月桂(1887- 1975年)は大杉栄の『漫文漫画』に挿絵を描いた画家です。そこに山川均の似顔絵も掲載されています。望月は大杉を中心に社会主義運動家たちとも交流し、グループ展「黒耀会」を開催したりしました。山川が顧問として支援した赤瀾会には望月桂の配偶者である望月ふく子も参加しています。
この6月には展覧会の図録『望月桂ー自由を扶く人』(足立 元編集, 望月桂調査団編集)が平凡社から刊行予定です。

山川菊栄は女学校時代に、叔父の蔵書を通じて福沢諭吉の『新女大学』を知るとともに、色刷りの本で古美術品の美しさに感動したと「おんな二代の記」に記されています。早くから教養として美術にも関心を深めていたことがうかがえます。また、雑誌『女人芸術』にしばしば寄稿していました。女性アーチストたちの応援者でもありました。

<参考>
大杉栄 著 ほか『漫文漫画』,黒色戦線社,ウニタ書舗 ,1972. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12241721 (参照 2026-04-29)登録した個人送信のみとなっています。
国立国会図書館のデジタルコレクションをみるための登録先はこちらをごらんください。

6月の菊栄カフェ(読書会)は6月20日(土)に開催します。

2024年5月から始まった藤沢・Bookyさんを会場とする読書会は丸2年がたち、5月13日の「ひと箱古本市」にもいろいろな方が立ち寄ってくださいました。ありがとうございました。特製タペストリーがいよいよ登場し、村岡と山川菊栄の関係を語る媒体となって、お客様との会話がはずみました。

2026年5月13日の「ひと箱古本市」

読書会もようやく「わが住む村」を読み終えるところまで進んできました。5月20日の会合では、文中の「ファンク博士の「新しき土」」との言及があったので、検索してみると、戦時中、原節子が主演した有名な日独合作映画の映像提供サイトが見つかりました。富士の見える田植えや鎌倉の大仏などのシーンから「わが住む村」の同時代の情報空間が一気に広がりました。


次回は、6月20日(土)14:00~ 藤沢・柄沢橋Bookyさん
『わが住む村』の「戦時下の農村」P.184から読み進めます。
読み終わった後は、岩波文庫の鹿野政直さんによる解説や、加納実紀代さんの論考(山川菊栄記念会編『記録集 山川菊栄が描いた歴史』所収、当日ご用意します)を読む予定です。
いつものようにBookyさんではドリンク等各自で注文を。

人数を把握するため、初めての方は、山川菊栄記念会事務局までメールでのお知らせをお願いしています。どうぞ、お気軽にご参加ください。

山川菊栄記念会 y.kikue アットマークshonanfujisawa.com

Bookyさんの一箱古本市に今年も参加します。

今年も5月9日の「一箱古本市」に合わせて、読書会「きくえカフェ」の会場である藤沢のBookyさんに本を並べます。山川菊栄記念会では、過去に行っていたシンポジウムの記録集など、さまざまな出版物を出してきました。こちらのページでも取り扱っていますが、現地で手に取ってぜひお確かめのうえ、お買いもとめいただきたいと思っています。

5月の読書会は、17日(日)14:00からBookyさんで開催します。『わが住む村』(岩波文庫)の「耕地は蘇る」からとなります。参加は無料ですが、Bookyさんにお好きな飲み物や食事のご注文を各自でお願いしています。
初めてのかたは記念会までメールでご連絡いただければ幸いです。お気軽にご参加ください。お待ちしています。
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ミモザフェスティバルが東京両国で開催されます。

日本の女性の生き方を三代にわたって描く日仏合作演劇「ミモザウェイ」(日仏女性の人権架け橋ミモザ実行委員会主催)が進化して東京・両国のシアターXで「ミモザフェスティバルー私たちの道、【声を挙げる 表現する 連帯する】」として、3月6日から8日まで開催されます。朗読や音楽劇など多彩なプログラムとなっています。ほとんど販売完了ですが、まだ、6日の19時と7日の14時の公演のみチケットがあるようです。お申し込みをお急ぎください。https://peatix.com/event/4680151

ミモザフェスティバル

今年の3月8日・国際女性デーに向けて

先日、御案内したように、3月8日、ドキュメンタリー映画『姉妹よ、まずかく疑うことを習え』の上映会(主催「さざなみ企画」)が葉山町福祉文化会館(葉山町堀内)で開催されます。、これについて、『タウンニュース』(逗子・葉山版・2月13日付)で採り上げていただきました。
https://www.townnews.co.jp/0503/2026/02/13/824677.html

また、3月8日は、恒例の東京ウィメンズマーチの企画が今年もあるとのことです。山川菊栄記念会では、毎年のように賛同団体となって、エールを送っています。

菊栄カフェ・2月の読書会の御案内

藤沢のブックカフェBOOKYさんを会場とする読書会ですが、次のように予定しています。
2月8日(日)14:00~ 『わが住む村』(耕地は蘇(よみがえ)る」P.160から)を読むほか、山川菊栄の息子の山川振作氏が書いた、江ノ電沿線の変遷を写真とともに記録したエッセイ(『かまくら春秋』に連載)について、前回から盛り上がった熱気が冷めやらず再燃するかもしれません。いつものようにワンドリンクの注文をお願いします。座席の準備のため、初めてご参加されるかたは、事前に山川菊栄記念会y.kikueアットマークshonanfujisawa.comまでご連絡いただければ幸いです。

また、BOOKYさんが主催されている【BOOKY 第29回読書会】も参加者を募集中。

  日時:2026年2月7日(土)16:00~18:00
  場所:BOOKY店内にて
  参加費:無料(ドリンクのオーダーお願いします)
  テーマ【フェミニズムについて】

2月5日までにBOOKYさんあて直接お申し込みくださいませ。

女性参政権80年の年、山川菊栄に出会えるドキュメンタリー映画や演劇の御案内

昨年10月にオープンした神奈川県藤沢市の村岡市民センター1階に、関係者のご努力で記念パネル「山川菊栄と村岡」が掲示されたことはこのニュースでお伝えしました。現在、藤沢で行われている読書会「菊栄カフェ」のきっかけは、その場所・BOOKYさんでのドキュメンタリー映画「姉妹よ、まずかく疑うことを習え」の上映でした。地元の方が大勢集まってくださいました。

山川菊栄は村岡の前に、稲村ケ崎にも住んでいたことがあり、海岸に打ち寄せる美しいさざなみから浮かび上がるように、震災前の思い出を綴った「元旦の朝」(『山川菊栄集』第10巻所収)は秀逸なエッセイの一つです。このたび、相模湾を臨む葉山から、国際女性デー3月8日午前に葉山町福祉文化会館で行われる、映画上映の企画のお知らせが届きました。講師は山川菊栄記念会の事務局長山田敬子(たかこ)が務め、関連図書も販売されます。1月24日から、こちらでお申込みくださいますようお願いいたします。

ドキュメンタリー映画DVD上映企画のご相談も随時受け付けています。山川菊栄記念会までお願いいたします。

また、明治末から現代まで三代にわたる日本の女性の生き方をテーマにした日仏合作のコメディ演劇作品『MIMOZA WAYS(ミモザウェイズ)1910–2020』(日仏女性の人権架け橋 ミモザ実行委員会)の東京初演と山川菊栄の登場をこのニュースでお伝えしたのは、三年前のことでした。その後、日本各地、スイスのジュネーブでの国連女性の地位委員会、大阪万博と上演実績を積み、京都での開催が、1月29日(木)から2月1日(日)まで六公演が予定されています。チケットの購入など詳しくはこちらへアクセスしてください。

 今年は、1946年に日本女性がはじめて普通選挙権を得て行使した、女性参政権80周年の記念の年です。その幕開けに、こうして山川菊栄関連企画の御案内をいただきました。誤解される場合がありますが、市川房枝や平塚らいてうらの戦前の女性参政権運動に山川菊栄は加わることはありませんでした。社会主義の立場から、資本家やエリートだけで構成される議会の枠組みのまま、女性が単に同様の立場で加わることに批判的でした。それだけでなく、国家の根底にある家父長制と権威主義、言論の自由が保障されていないなかでは、真の男女平等は実現できないという構造的な欠点を見抜きながら、「婦人の特殊要求」に男女ともに行使できる公民権を掲げていました(エリッサ・フェイソンの研究より、下記「山川菊栄の名言エッセンス」PDFリンク先参照)。
わたしたち女性が、男性と一緒に日本の歴史上初めて一票投じることになった、それが戦後第1回の総選挙であり、日本国憲法制定前のことでした。これを目前にして山川菊栄が書いた「解放の黎明に立ちてー歴史的総選挙と婦人参政権」『婦人公論』(1946年4月再生号)の一節にはつぎのような言葉が記されています。

私は総選挙の結果にて婦人の意思が正直に現われることを第一に必要と認め、それを希望する。私は婦人に関する真実を掴みたい、事実を知りたい。買収されまたは強制された投票は真実を語らない。無知は無知でよい、恥ずるに及ばぬ。それは女の罪でなく、過去の日本の罪なのだから。女よ、包みかくすことなく、恐れはばかることなく、大胆に率直に自己の意思を示せ。 解放の第一歩はそれである。

 
 80年たっても全く克服できていない政治と金の問題への批判を含むこの言葉は、今、寒波襲来のなか、憲政史上初の女性首相によって明確な大儀なく総選挙が強行されていることに前にして、深く胸に刺さるものがあります。

*参考

「元旦の朝」『山川菊栄集』第10巻「武家の女性他」所収、岩波書店、1981年、国立国会図書館デジタルコレクション内、田中寿美子, 山川振作 編集『山川菊栄集』10 (武家の女性他),岩波書店,1981.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12141436 (参照 2026-01-21)、
国立国会図書館のIDを取得するとアクセスできます。ID取得は無料です。

山口順子、山田敬子編「山川菊栄の名言エッセンス」 『山川菊栄記念会・資料部情報』no.4,2024年6月PDF  現代に通じる、ジェンダー不平等への山川菊栄の批判的名言を解説しています。オープンアクセスでどなたでも自由にご覧いただけます。

寒中お見舞い申し上げます。今年最初の菊栄カフェ・読書会が開催されます。

今年もよろしくお願いいたします。

1月17日(土)14:00から、いつもの藤沢・BOOKYさんで、菊栄カフェ・読書会を

開催いたします。『わが住む村』「農業は誰が継ぐ」p.153の途中から読み進めます。

読書会の終了後(16時ごろ~)は、そのまま、BOOKYさんのバータイムで、
新年会的な懇談の時間にしたいと思います。

BOOKYさん、今月から、毎週土曜日は夜22時までバータイム営業されるとのことです。
https://www.instagram.com/p/DTCMq2oEyMQ/?img_index=8

 18時からといわず、午後からでもお酒などは提供していただけるとのことです。
 各自好きなものをそれぞれご注文いただく感じでお願いします。

参加希望は、当日でも、y.kikue @ shonanfujisawa.comまで。(半角を詰めて送ってください)

11月のBOOKYさん「ひと箱古本市」イベントと山川菊栄カフェ

今月3日は山川菊栄生誕135年の日でした。かつて行っていたような周年記念の講演会などのような大きなイベントは企画しませんでしたが、神奈川県立図書館でのパネル展と謎解きイベント(11月12日までです。お急ぎください)が若い司書の方の企画から生まれました。
また先月には、山川菊栄・均夫妻が長らく住んでいたゆかりの藤沢市村岡の地に市民センターが誕生し、その一画に記念会制作のパネルが掲示されました。若い夫婦がパネルを指さして何か話し込んでいる姿も見受けられました。
山川菊栄の名を知っているフェミニストだけでなく、まったく知らない世代にどうアプローチしていくのか、記念会の普及活動として大きな課題だったことが少しずつクリアできてきているように感じています。

その普及力の一つになってきているのが、藤沢BOOKYさんでの読書会と記念会の小さな本棚です。いつもお世話になっているBOOKYさんが11月5日に『神奈川新聞』にとりあげられたとのことです。(街の書店探訪 シェア型本屋&カフェBOOKY(藤沢))


今度の11月15日土曜日には藤沢BOOKYさんで「ひと箱古本市」(出店時間は13時~18時)が開催されます。今年の5月にも参加しましたが、山川菊栄記念会関連の出版物を並べますので、ぜひお立ち寄りください。 翌日の11月16日日曜日は、同じくBOOKYさんで第14回の菊栄読書会(14:00~16:00)となります。『わが住む村』の「三代の娘」後半 p.129から読みますので、岩波文庫を忘れずにお持ちいただき、BOOKYさんのおいしい飲み物やお菓子の注文もお願いします。人数を把握するため、記念会までご連絡ください。y.kikueアットマークshonanfujisawa.com

*追記 次回は12月14日(日)を予定しています。

神奈川県立図書館でミニ展示「山川菊栄 生誕135周年関連展示」が10月10日から11月12日まで開催されます。

1890年に生まれた山川菊栄は、今年生誕135年を迎えました。山川菊栄文庫を所蔵する神奈川県立図書館で、明日から、生誕135周年に関連した展示会、そして謎解きイベントが開催されます。

神奈川県立図書館パネル展示
写真提供:神奈川県立図書館

神奈川県立図書館新本館

期間は、10月10日(金曜日)から11月12日(水曜日)まで、9時から19時まで(ただし土曜日・日曜日・祝休日は17時まで)で、月曜日(祝休日は開館)は休館となります。

会場は、県立図書館本館3階 カウンター前、同4階壁面にパネル展示があります。

関連イベントとして、謎解きイベント(所要時間 20~30分程度)が用意されています。

本館1階の階段前の案内板から「story1」を手に取って、謎を解きながら、館内をめぐっていく趣向で、参加費は無料とのことです。

くわしくは県立図書館サイトをご覧ください。

1階の共生コーナーにある山川菊栄の著書と関連図書のコーナーもどうぞお見逃しなく

追記:神奈川県立図書館の司書の出番のページに展示秘話がつづられています。

https://www.klnet.pref.kanagawa.jp/publications/public-relations/shishonodeban/2025/10/135.html