神奈川県立図書館でミニ展示「山川菊栄 生誕135周年関連展示」が10月10日から11月12日まで開催されます。

1890年に生まれた山川菊栄は、今年生誕135年を迎えました。山川菊栄文庫を所蔵する神奈川県立図書館で、明日から、生誕135周年に関連した展示会、そして謎解きイベントが開催されます。

神奈川県立図書館新本館

期間は、10月10日(金曜日)から11月12日(水曜日)まで、9時から19時まで(ただし土曜日・日曜日・祝休日は17時まで)で、月曜日(祝休日は開館)は休館となります。

会場は、県立図書館本館3階 カウンター前、同4階壁面にパネル展示があります。

関連イベントとして、謎解きイベント(所要時間 20~30分程度)が用意されています。

本館1階の階段前の案内板から「story1」を手に取って、謎を解きながら、館内をめぐっていく趣向で、参加費は無料とのことです。

くわしくは県立図書館サイトをご覧ください。

1階の共生コーナーにある山川菊栄の著書と関連図書のコーナーもどうぞお見逃しなく。

次回、「山川菊栄カフェ」(わが住む村 読書会)は、10月19日(日)に開催します。


『わが住む村』読書会。第12回目が9月20日(土)に開催されました。参加者7名。
岩波文庫版 p.110~p.121「綿畑と狐のゆくえ」の節を読みました。

この藤沢の地でも、綿花を栽培していたとのこと。明治の頃から盛んになり、摘んだ綿から糸にして反物を織り、嫁入り道具として持たせた話。それも日露戦争のころから姿を消していった、とあります。社会が近代化する中で「狐に化かされた」話も、時を同じくして消えていく。明治生まれの菊栄の世情をみつめるまなざしがうかがわれます。

 このあとも、毎月1回のペースで読書会を続けていきたいと思っています。今後は、
・次回  10月19日(日)14時から
・その次 11月16日(日)14時から を予定しています。

 参加費は無料ですが、カフェでのオーダーをお願いします。
 ブックカフェ営業中ですので、ふらりとお立ち寄りになるのでかまいません。初めての方、大歓迎です。ただし椅子のご用意の都合もありますので、できればご連絡いただけると助かります。
連絡先:y.kikue @ shonanfujisawa.com (半角をつめてください)

 また、その間、11月15日(土)には、BOOKYさんでの一箱書店の棚主さんによる「一箱古本市」が開催されます。

 山川菊栄記念会としても出店し、記念会の刊行物、菊栄の著作、またメンバーの古本の販売します。こちらも是非お立ち寄りください(13時~18時)。それ以外の日でも、シェア本棚がありますので、BOOKYさんにもぜひお立ち寄りください(営業日は原則金・土・日・月とのことですが、貸し切りのときもありますので、Webサイトをご確認ください。)。

 「わが住む村」を読みすすめた後には、山川菊栄の住んだ家の跡などをめぐる「まちあるき」を計画しています。「まちあるき」だけの参加も募りたいと思っています。ご興味あるかたはお知らせください。

山川菊栄のパネルが村岡市民センターオープンで披露されました。

東海道の線路を挟んだ神奈川県藤沢の村岡で、山川菊栄は後半生を過ごしました。戦前は3000羽ほど飼っていたというウズラ園を経営していたこともありました。都会育ちだった菊栄は、近所の人々に農作業の教えをこいながら、土地の歴史を少しずつ聞き、優れた地域史であり民俗誌でもある『わが住む村』を書き出版しました。1943年のことでした。

この「わが住む村〜山川菊栄と村岡村」と題したA1版のパネルを山川菊栄記念会で制作し、10月4日にオープンした村岡市民センターの一角に掲出していただいております。

4日の内覧会では、孫の山川しげみ氏をはじめ、ゆかりの方々、住民の皆様が大勢足を止めてご覧いただきました。
駐車場側入り口から入ってすぐ、ロビー2の休憩室に近い壁面の角、地域の古い写真とともに、見ていただけるようになっています。

掲示にあたり、谷津えみさんのご尽力、村岡市民センター長のご理解をいただきありがとうございました。ました。制作にあたりご協力くださいました、岩波書店、神奈川県立図書館にもに心から感謝申し上げます。

「山川菊栄カフェ」(わが住む村 読書会)。9月20日(土)に開催します。


『わが住む村』読書会。第11回目が8月9日(土)に開催されました。参加者10名。
「粟飯、麦飯」の途中(p.97)から最後まで。味噌、餅、小麦、大豆、梅仕事。戦前から戦中の、この藤沢の地で人々が食べていたものが紹介されます。中でもジャガイモは、これは菊栄自身も種芋から育てて収穫したとのこと。その様子は前回も紹介された『村の秋と豚』の中に、まさに「ジャガ芋作り」という掌編にも記されていましたので、あわせて朗読していただき、共有しました。

次回は、「綿畑と狐のゆくえ」(p.110~)から読んでいきます。一龍斎春水さんが朗読してくださる予定です。
『わが住む村』(https://dl.ndl.go.jp/pid/9539136/1/47)も、『村の秋と豚』(https://dl.ndl.go.jp/pid/1037741/1/11)のいずれも、国立国会図書館のデジタルコレクションで、アカウントを登録した個人限定でみることができます。登録方法はこちらからご覧いただけます。



また、読書会の会場であるブックカフェ BOOKY さんには、山川菊栄記念会のシェア本棚があり、そこでも著作などを手に取っていただけますので、読書会でない日でもぜひお立ち寄りください(営業日は原則金・土・日・月ですがWebサイトの営業日カレンダーをご確認ください。)

BOOKYさんの山川菊栄の本棚
NHKBSで現在再放送中の「花よあらしよ」の原作もおいています。

読書会の今後の予定は、
・ 9月20日(土)14時から
・10月19日(日)14時から

を予定しています。
 参加費は無料ですが、カフェでのオーダーをお願いします。
 ブックカフェ営業中ですので、ふらりとお立ち寄りになるのでかまいません。初めての方、大歓迎です。ただし椅子のご用意の都合もありますので、できればご連絡いただけると助かります。みなさまのお越しをお待ちしています。
連絡先:y.kikue @ shonanfujisawa.com (半角をつめてください)

藤沢の読書会が第10回を迎えました。


 山川菊栄が終生住んだ藤沢・村岡。その地にほどちかい柄沢橋のブックカフェ BOOKY さんにて、山川菊栄について語る場が作れたら。そんな思いで『わが住む村』の読書会をはじめましたが、ついに7月13日(日)には第10回目の開催となりました。

 毎回少しずつ『わが住む村』を読み進めていますが、いよいよ後半にさしかかったというところ。今回は「行事と五人組」の途中から。隣近所で構成される「組」の単位で、屋根の茅を葺いたり、縁組(結婚式)のお手伝い。それよりも大がかりになるのがお葬式のお手伝い。大きな旧家では何日もかかって飲み食いし、組の人だけでなく、町から料理人を呼んでくるほどだったそう。そのほか道路の清掃や草刈りなども「組」で日をきめていっせいにやったとか。農業作業の共同体という意味もあった五人組ですが、勤め人が増えるにしたがって、共同作業の集団から(戦時下の)配給を配る共同体に変わっていくさまが、山川菊栄の筆致で描かれていました。

 ここまで読んだところで、同時期に、あるいは『わが住む村』の下敷きになるような菊栄の文章が紹介されました。1941年(昭和16年)1月、宮越太陽堂から刊行された『村の秋と豚』です。この本では他誌に書かれた文章・エッセイを1冊にまとめたものですが、巻頭に収められた表題の「村の秋と豚」は、(昭和15年)と末尾にあり、その時に書き下ろされたものだろうということです。8ページほどの文章でしたので、こちらも朗読していただいて共有しました。家庭防火群という組ができて防空演習に駆り出されていく話からはじまりますが、ちょうどその頃は稲の刈り取りの季節、また、芋の収穫の時期でもあり、1日でも遅れると値が下がってしまうという忙しさの中でも、演習をしなければならない―といった姿が描かれています。そのあと、これまでは農家で豚を飼っていたが、それをやめてしまったという話になり、山川菊栄の父が陸軍で豚の飼育と食肉加工を手がけていたという話に続きます。山川菊栄の家系をみる中で、この父の仕事も特筆すべきものであり、どこかで紹介されたらと語り合いました。
(『村の秋と豚』については、国立国会図書館のデジタルコレクションで、登録個人限定でみることが出来ます https://dl.ndl.go.jp/pid/1037741/1/7

 『わが住む村』にもどって。「粟飯、麦飯」の節。白米ばかり食べるようになったのは大正以後のはなし。それまでは麦をまぜて食べていたとのこと。また、現金収入を得るために外に売り出すのは、収穫した米のうちフルイに残ったよい粒のほう。農民は屑米を食べていたとか。主食から副菜、この藤沢・村岡の住民が、なにを育ててなにを食べていたのか。それこそ民俗史にとっての貴重な記録、と言えましょう。

 今回は参加者9名でしたが、それぞれ「ひとりで読んだのでは得られない気づきがあった」と感想を述べ合いました。さらに「このWebページを見て来ました」と、海外からの留学生も訪れてくださいました。本国では山川菊栄の翻訳が少ないそうですが、それでも日本近代史研究なおかつ山川菊栄を研究のテーマにされているとのこと。この山川菊栄カフェが、世界へつながる架け橋になるのかと思うと、開催してよかったと思います。

 次回は8月9日(土曜日)14時から開催します。「粟飯、麦飯(p.97~)」の途中から。一龍斎春水さんが朗読してくださる予定です。
 会場はいつものとおり、藤沢・柄沢橋のブックカフェBOOKYさんにて。参加費は無料ですが、カフェでのオーダーをお願いします。
 ブックカフェ営業中ですので、ふらりとお立ち寄りになるのでかまいません。初めての方、大歓迎です。ただし椅子のご用意の都合もありますので、できればご連絡いただけると助かります。みなさまのお越しをお待ちしています。
連絡先:y.kikue @ shonanfujisawa.com (半角をつめてください)

女性の権利デーイベントで山上千恵子監督の「北京NGOフォーラム」が上映されます。

ミモザウエイズのリボアル堀井なみのさんからのご案内をいただきました。

今週末の7月26日(土)、30年前の北京NGOフォーラムを振り返り現状と今後を考えるオンラインイベント(19:00‐21:00、参加費無料)のなかで、山上千恵子監督の貴重な記録作品「北京NGOフォーラム」(25分)が上映され、山上さんが解説をされます。その後、北京JACの船橋さんやジョイセフの草の洋美さん、SRHRユースアライアンスの金子絵美利さん、栗原さんたちによるリレートークが展開されるプログラムです。

参加費無料でまだ、参加申し込みを受け付けているとのことです。
https://mimozapekin.peatix.com/ へアクセスを急いでしてください。

7月13日(日)に「山川菊栄カフェ」(わが住む村 読書会第10回)を開催します。

 藤沢・柄沢橋のブックカフェ BOOKY さんで「山川菊栄記念会」の棚を開店しています。記念会の刊行物を中心に販売しています。遠方からわざわざお越し下さる方もいらっしゃるようで「売れましたよ」とオーナーさんからお知らせいただくたびに、うれしくなっています

5月17日の古本市

 さる5月17日(土)には、この店の軒先で一箱古本市が開催され、山川菊栄記念会でも出店させていただきました。あいにくの天候でしたが、それでも「山川菊栄の出店があると聞いて」と足を運んで下さった方がいらっしゃいました。


 さて「わが住む村」読書会。初開催から1年経ち、第9回を6月8日(日曜日)に行いました。


 冒頭、前回話題になった山川家とカラスの話から、山川菊栄と山川均が残した文章が紹介されました。山川均が書いた山川家の動物の自筆絵はがきには、まんなかに黒々とカラスが描かれています。菊栄著「烏と散歩」(『婦人之友』1937年6月号掲載)では写真とともに家中の動物の紹介。均著「カラス」(『文藝春秋』1955年12月22号掲載)では均がカラスの飼い方を指南しています。また菊栄著「カラスと治安維持法」(神奈川県知事室広報課編『グラフ神奈川』1977年2月号掲載)では、飼い慣らしていたカラスが乞われて映画に出演したことが紹介されていました。「わが住む村」だけでなく菊栄が書いた文章を様々な観点から読み深められるのも、この読書会の魅力のひとつと思っています。

カラスをテーマにした菊栄と均の作品を語り合う


 本文は、岩波文庫版の73ページ「行事と五人組」の途中から。いつものように一龍斎春水さんの朗読の助けを借り、凧あげの話、ちょうど今頃の季節になる田植えのことと焼米の風習(水口祭り)、お盆のお祭りと読み進めました。特に遊行寺のお祭りが毎月あったとのことには驚きました。また、村じゅう総出でおこなわれる田植えの際には、一日に三度のご飯と二度のお茶。それを女性が全部用意して運んだことが書かれています。このあたりが山川菊栄らしい視点だと語り合いました。

 今回は文中に「万能」とか「クルリ(から竿)」などと農具の名前が出てきます。辞書をひいても今の生活の私たちにはピンとこないのですが。なんとこのBOOKYさんの本棚には『農具が語る相模の百姓』(白鳥宏著 1990年刊)」という書籍があり、それを見れば絵入りでどのような農具だったのかがよく分かるのです。この場所での読書会だからこそ、理解が深まるのを感じます。

 次回は7月13日(日曜日)14時から開催します。「行事と五人組(p.85~)」の途中から。
 会場はいつものとおり、藤沢・柄沢橋のブックカフェBOOKYさんにて。参加費は無料ですが、カフェでのオーダーをお願いします。
 ブックカフェ営業中ですので、ふらりとお立ち寄りになるのでかまいません。初めての方、大歓迎です。ただし椅子のご用意の都合もありますので、できればご連絡いただけると助かります。みなさまのお越しをお待ちしています。
連絡先:y.kikue @ shonanfujisawa.com (半角をつめてください)

山川菊栄棚が藤沢の一箱古本市に登場します。

ほぼ毎月、「わが住む村」の読書会が開催されている藤沢のBOOKYさんで、5月17日(土)12:00から18:00まで、一箱古本市が開催されます。山川菊栄の棚も一箱出店することになりました。山川菊栄記念会出版物以外にも、フェミニズムや平和関係の本を用意しています。どうぞお立ち寄りください。

なお次回の読書会は6月8日です。参加をお待ちしています。

4月6日(日)に「山川菊栄カフェ」(わが住む村 読書会第8回)を開催します。


 ひと月からふた月に1回で開催している山川菊栄カフェ「わが住む村」読書会ですが、前回2月23日(日)は参加者9名で開かれました。

「武士と百姓(岩波文庫版p.52~)」「鎮守さまと氏子(p.57~)」までを読みました。それぞれの地を治めている旗本、名主、鎮守、そしてお寺と、具体的に地域性を帯びた話になってくると、この藤沢周辺に住む者としては出てくる地名やお寺の名前がそれぞれ気になってきます。

 次回は4月6日(日曜日)14時から開催します。花の美しい季節になり、読むパートも
「行事と五人組(p.67~)」と村のお祭りの話にはいります。会場はいつものとおり、藤沢・柄沢橋のブックカフェBOOKYさんにて。参加費は無料ですが、カフェでのオーダーをお願いします。


 ブックカフェ営業中ですので、ふらりとお立ち寄りになるのでかまいません。初めての方、大歓迎です。ただし椅子のご用意の都合もありますので、できればご連絡いただけると助かります。みなさまのお越しをお待ちしています。
連絡先:y.kikue @ shonanfujisawa.com (半角をつめてください)

国際女性デーのあとも、フェミニズムを映像にしてきた人々に光をあてた展示が続いています。

去る3月8日、渋谷で行われたウィメンズマーチ2025に参加してきました。50を超える団体、600人以上の参加と大成功となりました。


そして、先日もこのニュースに掲載した東京京橋の国立映画アーカイブの特集「日本の女性映画人}第3段の上映が続いています(3月23日まで)。

2月26日には。「ルッキング・フォー・フミコ」と「女たちの歴史プロジェクト」の上映前に、栗原奈名子さん、山上千恵子さん、瀬山紀子さんの舞台あいさつがあり、それぞれ国立映画アーカイブの収蔵作品になったことについて感慨を話されました。山川菊栄のドキュメンタリー映画の監督でもある山上さんは「やっと映画監督として認められたような気がする」と。

会場には映画に出演した70年代のフェミニズム運動の活動家たちの往年の面影がありましたが、そのなかにカリスマ的ともいえる中心人物で、昨年亡くなった田中美津さんの残影が映画の一シーンのように垣間見えるようでした。さらに、山川菊栄記念会代表であった井上輝子さんとこうした映画の感想を交換することができないこと、井上さんでしか書けなかったはずの「日本のフェミニズム」パート2が読めないことは、望んでもかなわぬこととはいえ、とても残念なことです。

一方、東京竹橋の国立近代美術館の常設展示の一角でも「フェミニズムと映像表現(2025.2.11–6.15)」が開催されています(6月15日まで)。日本と海外のフェミニズムのショートフィルムの70年代から現代までを概観することができます。山上監督が神戸で参加した鼎談記録の資料も展示されています。

スマホで手軽に動画編集加工もできて瞬時に世界発信ができるようになった今、AIとともに加速化するメディアの変化のなかで、映像とともに求めていく先にある未来社会をどう変えたいのか、立ち止まって考える契機を提起するような連動する二つの上映と展示となっています。