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書評が掲載されました

女のしんぶん』(2023年6月25日・第1297号)に『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』の書評が掲載されました。「社会を変えようとした2人の女性」と題し、山川菊栄記念会世話人の中村ひろ子さんが書いてくださいました。

花束書房の伊藤春奈さんが編集した新しい視点に満ちた諸論考は気鋭の若い人々によるもので、中村さんは、山川菊栄がフェミニストではない、という否定説に対して、否定することはできないだろうと強調されています。

関東大震災100年

神奈川県立図書館では、企画展示「関東大震災100年 神奈川県の被害と復興」が開催中です(12月13日まで)。
山川菊栄が被災後、母千世にあてた手紙も山川菊栄文庫関連資料から初披露。去る6月2日には朗読会「明日へ」も開催され、その手紙が読まれたということです。

陸軍の甘粕正彦大尉らによる大杉栄、伊藤野枝、大杉の甥・橘宗一の虐殺のあと、山川一家も狙われている可能性があるとの助言で、振作を連れて兵庫県垂水に逃れていきました。
逮捕ではなく直接有無を言わせずに命を狙う国家的テロ、現代でも世界のどこかで起きている、山川一家も直面したそのことの暴力性を改めて問わねばなりません。

ついに到着!『未来からきたフェミニスト』

先日、新刊予告を出しました、花束書房さんの渾身の一冊『未来からきたフェミニスト 北村か兼子と山川菊栄』が送られてきました。書影では分からなかった、表紙の濃いバイオレットのエンボスは写真ではなかなか表現できない繊細なものですが、なんとか撮影してみました。

山川菊栄を現代に読み直す意義は何か、若い感性で説かれる論考がずらりと並んでいます。

これまであまり紹介されてこなかった、婦人少年局長室前で珍しく明るい笑顔を見せる山川の写真も掲載されています。官庁初の女性局長として自信をつけ、また部下への包容力も増してきたことが伺える一枚です。

この写真を含む神奈川県立図書館蔵の山川菊栄文庫関連資料の整理については、長く記念会で取り組んできました。整理の状況については、この本に収録された事務局長山田による書簡の一部紹介のほか、座談会内容でも触れています。

先ごろ一段落の区切りをつけ、新収蔵庫改修に向けて図書館側に引き渡しを終えました。2年後の再開に向けて、このサイト内で追々、発掘された資料の紹介をしていく予定です。

神奈川県立図書館新館の展示期間が延長されました

以前お知らせした「性と社会の今。人として自分らしく生き抜く」展での男女共同参画図書や山川菊栄文庫の資料展示は、期間延長となり、6月4日(日)までご覧いただけます。

山川菊栄文庫の資料では、労働省婦人少年局資料の「だからわたくしたちは婦人団体を作りました」(1950年秋~1951年頭か?)というパンフレットが展示されています。カラー用紙を使った日本語版と、生成り色単色の英語版という大変珍しいものです。縦型のB6判変形で、昔のコクヨの電話帳のように紙の大きさを変えインデックスごとに頁がめくれるようになっている凝った作りになっています。英語版はGHQとの関係で作成されたものと思われます。

山川菊栄文庫関連資料の整理も最終盤を迎えており、いま展示されている資料も含めて
まもなく収蔵庫改修のため令和8年以降まで非公開となります。

この機会にぜひご覧ください。

花束書房の新刊『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』

5月末に『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』が花束書房さんから
配本予定(336ページ、税別2300円)とのことです。版元ドットコムへ

花束書房さんからの依頼を受けて、記念会の事務局長山田敬子が
「山川菊栄の思想を明日につなぐ」を執筆しました。
また、山川菊栄文庫の資料整理について、作業にあたってきた
山田を含む三人が座談会に参加しています。

北村兼子と山川菊栄に関する、若い世代の清新な視点がたくさん
盛り込まれ、現代日本の閉塞感を破るパワーを提供する、
とても楽しみな一冊となっています。

どうぞ皆様、ご予約をお願いいたします。

伊藤セツさんの最新刊と情報発信力


2020年に開催した山川菊栄生誕130周年記念シンポジウムでも御登壇いただいた伊藤セツさんが『国際女性デーの世界史―起源、過去、現在、未来―』(御茶の水書房)を刊行されました。帯のめだつところに山川菊栄等の日本で初めての国際女性デ
ー開催に言及していただいています。

伊藤さんは記念会の井上輝子代表が生前企画した、伊藤さんのご著書
『山川菊栄研究―過去を読み未来を拓く』(ドメス出版)の連続勉強会にも快くご参加くださいました。

新刊と同時に、ご自身のブログだけでなく、Webサイト「コスモポリタン」(3月6日付、Maya Thornによるインタビュー記事)からもミモザが添えられたご自身の似顔絵とともに、国際女性デーの経緯や意義を情報発信されています。

シニア女性映画祭10年の記念誌



2023年3月11日と12日に、豊中市で開催された第11回シニア女性映画祭では、山上千恵子監督の山川菊栄ドキュメンタリーが上映されました。また、2012年から2021年までのシニア映画祭10年の開催記録を詳細にまとめた記念誌もシスターウエイブスから発行になりました。
映画祭に込められた関係者のみなさまの熱情あふれる1冊です。入手先は、sister-waves @ qc.fem.jp

シニア映画祭の会場で山川菊栄の写真集や『いま、山川菊栄が新しい!』もたくさん購入いただきました。いずれもこのサイトを通じてご購入いただけます。お気軽にご連絡ください。y.kikue @ shonanfujisawa.com  (メールアドレスはいずれもアットマーク前後をつめて送信してください)

『東京新聞』横浜・神奈川版に神奈川県立図書館展示が紹介されました。

2023年3月5日の『東京新聞』横浜・神奈川版に現在神奈川県立図書館本館1階で行われている図書の企画展示を紹介する記事が「自分らしく生きる・考える」として掲載されました。合わせて山川菊栄文庫資料展示についても書かれています。記事は国際女性デー特集として組まれ、川崎市議会でこれまでで唯一の副議長を務めた菅原敬子さんへのインタビューも載っています。

Web記事はこちらから。

MIMOZA WAYS ミモザウェイズ1910‐2020の舞台公演に山川菊栄のポートレート登場

女優で劇作家、演出家であるトリニダード・ガルシアさんによる、3世代の日本女性の生き方をジェンダー平等の視点から描くコミカルな演劇「ミモザウェイズ」が東京福生市民会館で2月22日23日の熱気あふれる公演を終えました。2月27日、28日に、福岡・クローバープラザ・クローバーホールで上演されます。

昨年の京都公演やオンライン配信版が改訂され、雑誌『青鞜』の執筆者の一人として、山川菊栄のポートレートが大きく投影され、紹介されています。山上千恵子監督のドキュメンタリー映画「山川菊栄の思想と活動-姉妹よ、まずかく疑うことを習え」を見たことがきっかけとなったとのことです。

映画上映も10年の歴史をもつ「とよなかシニア女性映画祭」で3月12日(日)に予定されています。トークでは山上千恵子監督が登壇されます。