藤沢のシェア型ブックカフェのBookyさんで行われてきた読書会が10回となりました。Bookyさんは、藤沢市柄沢にあり、その柄沢はかつての村岡村で、読書会で読んでいる
山川菊栄の『わが住む村』のまさしく一部なのです。その地元常連の参加者谷津さんから、ネット検索で素敵なページが出てきましたよ、と情報をいただきました。
それは、通販化粧品のオージオのサイトにある、時代をかけぬけた輝けるヒロインたち、というページです。洋の東西、文理を問わず各分野から毎年5、6人について、女性たちの業績、作品を本人の名言を織り込みながらエッセイ風に書かれた世界女性史とでもいえるもので、山川菊栄は2022年に紹介記事がアップされていました。
山川菊栄の名言のいくつかを見出しに掲げ、その生涯について簡潔に要点を漏らさず書かれています。ただ惜しいことに山川均と警察で出会う留置の原因として、平民運動会を見に行ったというのは誤りで、天長節前日に行われた社会主義講演会を聞きに行って、警察の張り込みの網に見事に引っかかってしまったのでした。
その後の均と恋愛に陥りラブレターを交わす熱いエピソードは、『未来からきたフェミニ
ストー北村兼子と山川菊栄』(花束書房)の中で、記念会事務局長の山田敬子が書いています。
ところで、谷津さんは藤沢で二期目の市議会議員を務めており、先月6月25日の本会議では、藤沢ゆかりの人物として山川菊栄とともに、一般質問でJR東日本が新設する予定の村岡駅(仮称)近くに移転する村岡市民センター(旧・公民館)のことを取り上げました。1936年、稲村ケ崎より鎌倉郡村岡村に転居し、亡くなる1980年まで、村岡の地に住んでいた山川菊栄のことを記録・紹介するするコーナーをつくることを提案し、藤沢市の担当部局から、パネル展示等は可能であるとの議会答弁を得ています。議会録画はこちらからご覧いただけます。
さて、山川菊栄の作品は、戦前から中国語やハングルに雑誌論考が翻訳されたり、戦後は武家の女性について英語の翻訳がありましたが、最近、フランスをはじめ、海外でもその業績に注目が集まってきています。先日の読書会には山川菊栄を修論のテーマにする中国からの留学生が参加してくれました。国内外から山川菊栄に関心を持つ方々がゆかりの地、藤沢・村岡に、10月新しくオープンする新・村岡市民センターを訪れてくださる日が来るかもしれません。山川菊栄の魅力を伝える場の一つになることを期待しています。
追記:2025年8月25日にオージオ様より、「時代をかけぬけた輝けるヒロインたち」の山川菊栄ページを修正されたとの連絡を受けました。迅速な対応に感謝申し上げます。
https://ozio.jp/community/heroine/96.html