今年の3月8日・国際女性デーに向けて

先日、御案内したように、3月8日、ドキュメンタリー映画『姉妹よ、まずかく疑うことを習え』の上映会(主催「さざなみ企画」)が葉山町福祉文化会館(葉山町堀内)で開催されます。、これについて、『タウンニュース』(逗子・葉山版・2月13日付)で採り上げていただきました。
https://www.townnews.co.jp/0503/2026/02/13/824677.html

また、3月8日は、恒例の東京ウィメンズマーチの企画が今年もあるとのことです。山川菊栄記念会では、毎年のように賛同団体となって、エールを送っています。

女性参政権80年の年、山川菊栄に出会えるドキュメンタリー映画や演劇の御案内

昨年10月にオープンした神奈川県藤沢市の村岡市民センター1階に、関係者のご努力で記念パネル「山川菊栄と村岡」が掲示されたことはこのニュースでお伝えしました。現在、藤沢で行われている読書会「菊栄カフェ」のきっかけは、その場所・BOOKYさんでのドキュメンタリー映画「姉妹よ、まずかく疑うことを習え」の上映でした。地元の方が大勢集まってくださいました。

山川菊栄は村岡の前に、稲村ケ崎にも住んでいたことがあり、海岸に打ち寄せる美しいさざなみから浮かび上がるように、震災前の思い出を綴った「元旦の朝」(『山川菊栄集』第10巻所収)は秀逸なエッセイの一つです。このたび、相模湾を臨む葉山から、国際女性デー3月8日午前に葉山町福祉文化会館で行われる、映画上映の企画のお知らせが届きました。講師は山川菊栄記念会の事務局長山田敬子(たかこ)が務め、関連図書も販売されます。1月24日から、こちらでお申込みくださいますようお願いいたします。

ドキュメンタリー映画DVD上映企画のご相談も随時受け付けています。山川菊栄記念会までお願いいたします。

また、明治末から現代まで三代にわたる日本の女性の生き方をテーマにした日仏合作のコメディ演劇作品『MIMOZA WAYS(ミモザウェイズ)1910–2020』(日仏女性の人権架け橋 ミモザ実行委員会)の東京初演と山川菊栄の登場をこのニュースでお伝えしたのは、三年前のことでした。その後、日本各地、スイスのジュネーブでの国連女性の地位委員会、大阪万博と上演実績を積み、京都での開催が、1月29日(木)から2月1日(日)まで六公演が予定されています。チケットの購入など詳しくはこちらへアクセスしてください。

 今年は、1946年に日本女性がはじめて普通選挙権を得て行使した、女性参政権80周年の記念の年です。その幕開けに、こうして山川菊栄関連企画の御案内をいただきました。誤解される場合がありますが、市川房枝や平塚らいてうらの戦前の女性参政権運動に山川菊栄は加わることはありませんでした。社会主義の立場から、資本家やエリートだけで構成される議会の枠組みのまま、女性が単に同様の立場で加わることに批判的でした。それだけでなく、国家の根底にある家父長制と権威主義、言論の自由が保障されていないなかでは、真の男女平等は実現できないという構造的な欠点を見抜きながら、「婦人の特殊要求」に男女ともに行使できる公民権を掲げていました(エリッサ・フェイソンの研究より、下記「山川菊栄の名言エッセンス」PDFリンク先参照)。
わたしたち女性が、男性と一緒に日本の歴史上初めて一票投じることになった、それが戦後第1回の総選挙であり、日本国憲法制定前のことでした。これを目前にして山川菊栄が書いた「解放の黎明に立ちてー歴史的総選挙と婦人参政権」『婦人公論』(1946年4月再生号)の一節にはつぎのような言葉が記されています。

私は総選挙の結果にて婦人の意思が正直に現われることを第一に必要と認め、それを希望する。私は婦人に関する真実を掴みたい、事実を知りたい。買収されまたは強制された投票は真実を語らない。無知は無知でよい、恥ずるに及ばぬ。それは女の罪でなく、過去の日本の罪なのだから。女よ、包みかくすことなく、恐れはばかることなく、大胆に率直に自己の意思を示せ。 解放の第一歩はそれである。

 
 80年たっても全く克服できていない政治と金の問題への批判を含むこの言葉は、今、寒波襲来のなか、憲政史上初の女性首相によって明確な大儀なく総選挙が強行されていることに前にして、深く胸に刺さるものがあります。

*参考

「元旦の朝」『山川菊栄集』第10巻「武家の女性他」所収、岩波書店、1981年、国立国会図書館デジタルコレクション内、田中寿美子, 山川振作 編集『山川菊栄集』10 (武家の女性他),岩波書店,1981.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12141436 (参照 2026-01-21)、
国立国会図書館のIDを取得するとアクセスできます。ID取得は無料です。

山口順子、山田敬子編「山川菊栄の名言エッセンス」 『山川菊栄記念会・資料部情報』no.4,2024年6月PDF  現代に通じる、ジェンダー不平等への山川菊栄の批判的名言を解説しています。オープンアクセスでどなたでも自由にご覧いただけます。

国際女性デーのあとも、フェミニズムを映像にしてきた人々に光をあてた展示が続いています。

去る3月8日、渋谷で行われたウィメンズマーチ2025に参加してきました。50を超える団体、600人以上の参加と大成功となりました。


そして、先日もこのニュースに掲載した東京京橋の国立映画アーカイブの特集「日本の女性映画人}第3段の上映が続いています(3月23日まで)。

2月26日には。「ルッキング・フォー・フミコ」と「女たちの歴史プロジェクト」の上映前に、栗原奈名子さん、山上千恵子さん、瀬山紀子さんの舞台あいさつがあり、それぞれ国立映画アーカイブの収蔵作品になったことについて感慨を話されました。山川菊栄のドキュメンタリー映画の監督でもある山上さんは「やっと映画監督として認められたような気がする」と。

会場には映画に出演した70年代のフェミニズム運動の活動家たちの往年の面影がありましたが、そのなかにカリスマ的ともいえる中心人物で、昨年亡くなった田中美津さんの残影が映画の一シーンのように垣間見えるようでした。さらに、山川菊栄記念会代表であった井上輝子さんとこうした映画の感想を交換することができないこと、井上さんでしか書けなかったはずの「日本のフェミニズム」パート2が読めないことは、望んでもかなわぬこととはいえ、とても残念なことです。

一方、東京竹橋の国立近代美術館の常設展示の一角でも「フェミニズムと映像表現(2025.2.11–6.15)」が開催されています(6月15日まで)。日本と海外のフェミニズムのショートフィルムの70年代から現代までを概観することができます。山上監督が神戸で参加した鼎談記録の資料も展示されています。

スマホで手軽に動画編集加工もできて瞬時に世界発信ができるようになった今、AIとともに加速化するメディアの変化のなかで、映像とともに求めていく先にある未来社会をどう変えたいのか、立ち止まって考える契機を提起するような連動する二つの上映と展示となっています。

国際女性デーのウィメンズマーチ2025年が3月8日(日)に開催されます。

恒例となりました。ウィメンズマーチが今年も渋谷で予定されており、山川菊栄記念会も賛同団体に加わり、応援しています。

 「ウィメンズマーチ東京2025声明」が冒頭に述べるように、何かしらこ
の行事の予告のように、この国の性差別に対する理解の低さとそれに起因するジェ
ンダー不平等を象徴するようなジェンダー平等や人権に関わる深刻なニュースが続きます。
 フジテレビの性被害問題はこの国のマスメディアがかかえる構造的な欠陥をあらわに
しつつ、労働組合の活性化によって内側からの改革のきざしもでてきているようです。
また、外務省による国連人権高等弁務官事務所への拠出金から女性差別撤廃委員
会を除くように、という通告は、女性差別撤廃条約の批准国である
先進国として実に恥ずかしい行動といわざるを得ません。内閣府の男女共同参画局
委員会は存在していてもこのような状況で機能に限界がみえる以上、政府から独立
した第三者委員会としての国内人権委員会、それもジェンダー平等の監視と勧告委
員会が必要だと、今さらながら痛感しています。

 年々国際女性デーのマーチへの参加団体も多様性をみせながら増えていると感じら
れるのは、女性の社会進出に伴い、それを阻む要素が一層明確になってきているか
らであり、女性自身が自らの生きづらさを言語化してつながってきていることを示すの
ではないでしょうか。参加団体はすでに50を超えているとのことです。 
 今年は午前に団体アピールイベント、午後から明るいなかでのマーチになります。集
合場所がいつもと異なりますが、渋谷でともに行動に加わりましょう。そして、国際女
性デーを「恒例の行事」にしていけない、一日で終わらせず、毎日の小さくても横のつ
ながりをもったアクションの継続と積み重ねが求められています。

*2025年3月8日(土)13:00集合・13:20出発
スタート:神宮通公園(北側)  午前中の集会は10時から東京ウィメンズプラザ・ホール(申し込み不要、参加無料)です。
詳細はこちらでご確認ください。https://womensmarchtokyo.wordpress.com/

今年も国際女性デーのウィメンズマーチ東京に記念会として賛同し、参加しました。

3月8日は国連が定めた国際女性デーです。昨年に引き続き、今年も山川菊栄記念会としてウィメンズマーチ東京2024実行委員会の呼びかけに賛同しました。参加の言葉は100年以上前に、女性の自己決定権を鮮やかに言い当てた「男が決める女の問題」(1918年)の次の名言を選んで出しました。文部省が女性教育の方針を男性だけで決めることへの異議申し立てとして書かれた一節です。

「私たちはいつ私たち自身の魂を形成する権利を彼らの手に委ねたか。そして私たちはいかなる理由によって、私たち自身の意思を無視して審議し決定せられた彼らのいわゆる教育方針なるものに従って、生ける傀儡となって果つべき義務を認めねばならぬか。かく疑うことは私たちの自由でなければならない。.

私たちの若き姉妹よ、まずかく疑うことを習え。かく疑うことを知った時、そしてこの疑いをあくまで熱心に … あくまで執拗に追及することを学んだ時、そこには私たち婦人の救いの道が開けてくることを、ただそこにのみ開けてくることを覚らるるであろう。

「男が決める女の問題」『新日本』(1918・大正7年11月号)より」

中央のトートバッグは「百年の二度寝」さんによる制作

参加参加団体は現場でいただいたアピールやイベント案内などのフライヤーから去年より多様な広がりが感じられ、主催者発表の参加人数は480人でした。

早速、Youtube上にライブ映像配信されたのは、「こばと通信-声を上げる市民₋」さんです。夜の渋谷をマーチしながら、「疑うことは私たちの自由」そして執拗に追及することを学んだ時「道が開けてくる」、と100年以上前に希望を説いた山川菊栄の言葉を再びかみしめました。