国際女性デーのあとも、フェミニズムを映像にしてきた人々に光をあてた展示が続いています。

去る3月8日、渋谷で行われたウィメンズマーチ2025に参加してきました。50を超える団体、600人以上の参加と大成功となりました。


そして、先日もこのニュースに掲載した東京京橋の国立映画アーカイブの特集「日本の女性映画人}第3段の上映が続いています(3月23日まで)。

2月26日には。「ルッキング・フォー・フミコ」と「女たちの歴史プロジェクト」の上映前に、栗原奈名子さん、山上千恵子さん、瀬山紀子さんの舞台あいさつがあり、それぞれ国立映画アーカイブの収蔵作品になったことについて感慨を話されました。山川菊栄のドキュメンタリー映画の監督でもある山上さんは「やっと映画監督として認められたような気がする」と。

会場には映画に出演した70年代のフェミニズム運動の活動家たちの往年の面影がありましたが、そのなかにカリスマ的ともいえる中心人物で、昨年亡くなった田中美津さんの残影が映画の一シーンのように垣間見えるようでした。さらに、山川菊栄記念会代表であった井上輝子さんとこうした映画の感想を交換することができないこと、井上さんでしか書けなかったはずの「日本のフェミニズム」パート2が読めないことは、望んでもかなわぬこととはいえ、とても残念なことです。

一方、東京竹橋の国立近代美術館の常設展示の一角でも「フェミニズムと映像表現(2025.2.11–6.15)」が開催されています(6月15日まで)。日本と海外のフェミニズムのショートフィルムの70年代から現代までを概観することができます。山上監督が神戸で参加した鼎談記録の資料も展示されています。

スマホで手軽に動画編集加工もできて瞬時に世界発信ができるようになった今、AIとともに加速化するメディアの変化のなかで、映像とともに求めていく先にある未来社会をどう変えたいのか、立ち止まって考える契機を提起するような連動する二つの上映と展示となっています。

国際女性デーのウィメンズマーチ2025年が3月8日(日)に開催されます。

恒例となりました。ウィメンズマーチが今年も渋谷で予定されており、山川菊栄記念会も賛同団体に加わり、応援しています。

 「ウィメンズマーチ東京2025声明」が冒頭に述べるように、何かしらこ
の行事の予告のように、この国の性差別に対する理解の低さとそれに起因するジェ
ンダー不平等を象徴するようなジェンダー平等や人権に関わる深刻なニュースが続きます。
 フジテレビの性被害問題はこの国のマスメディアがかかえる構造的な欠陥をあらわに
しつつ、労働組合の活性化によって内側からの改革のきざしもでてきているようです。
また、外務省による国連人権高等弁務官事務所への拠出金から女性差別撤廃委員
会を除くように、という通告は、女性差別撤廃条約の批准国である
先進国として実に恥ずかしい行動といわざるを得ません。内閣府の男女共同参画局
委員会は存在していてもこのような状況で機能に限界がみえる以上、政府から独立
した第三者委員会としての国内人権委員会、それもジェンダー平等の監視と勧告委
員会が必要だと、今さらながら痛感しています。

 年々国際女性デーのマーチへの参加団体も多様性をみせながら増えていると感じら
れるのは、女性の社会進出に伴い、それを阻む要素が一層明確になってきているか
らであり、女性自身が自らの生きづらさを言語化してつながってきていることを示すの
ではないでしょうか。参加団体はすでに50を超えているとのことです。 
 今年は午前に団体アピールイベント、午後から明るいなかでのマーチになります。集
合場所がいつもと異なりますが、渋谷でともに行動に加わりましょう。そして、国際女
性デーを「恒例の行事」にしていけない、一日で終わらせず、毎日の小さくても横のつ
ながりをもったアクションの継続と積み重ねが求められています。

*2025年3月8日(土)13:00集合・13:20出発
スタート:神宮通公園(北側)  午前中の集会は10時から東京ウィメンズプラザ・ホール(申し込み不要、参加無料)です。
詳細はこちらでご確認ください。https://womensmarchtokyo.wordpress.com/

今年も国際女性デーのウィメンズマーチ東京に記念会として賛同し、参加しました。

3月8日は国連が定めた国際女性デーです。昨年に引き続き、今年も山川菊栄記念会としてウィメンズマーチ東京2024実行委員会の呼びかけに賛同しました。参加の言葉は100年以上前に、女性の自己決定権を鮮やかに言い当てた「男が決める女の問題」(1918年)の次の名言を選んで出しました。文部省が女性教育の方針を男性だけで決めることへの異議申し立てとして書かれた一節です。

「私たちはいつ私たち自身の魂を形成する権利を彼らの手に委ねたか。そして私たちはいかなる理由によって、私たち自身の意思を無視して審議し決定せられた彼らのいわゆる教育方針なるものに従って、生ける傀儡となって果つべき義務を認めねばならぬか。かく疑うことは私たちの自由でなければならない。.

私たちの若き姉妹よ、まずかく疑うことを習え。かく疑うことを知った時、そしてこの疑いをあくまで熱心に … あくまで執拗に追及することを学んだ時、そこには私たち婦人の救いの道が開けてくることを、ただそこにのみ開けてくることを覚らるるであろう。

「男が決める女の問題」『新日本』(1918・大正7年11月号)より」

中央のトートバッグは「百年の二度寝」さんによる制作

参加参加団体は現場でいただいたアピールやイベント案内などのフライヤーから去年より多様な広がりが感じられ、主催者発表の参加人数は480人でした。

早速、Youtube上にライブ映像配信されたのは、「こばと通信-声を上げる市民₋」さんです。夜の渋谷をマーチしながら、「疑うことは私たちの自由」そして執拗に追及することを学んだ時「道が開けてくる」、と100年以上前に希望を説いた山川菊栄の言葉を再びかみしめました。