インターネット上のジェンダーギャップを解消しよう!-WikiGap in Kanagawa 2025が山川菊栄☆生誕135年☆とともに開かれます。

WikiGap(ウィキギャップ)は、インターネット上の百科事典「ウィキペディア」の女性に関する記事を充実させ、インターネット上のジェンダーギャップ解消をめざす世界的な活動で、日本国内では2019年から東京、大阪、神奈川(横浜)で始まりました。
神奈川ではコロナ後も開催を続けて、今回で4回目となります。

桃の節句を機に、神奈川のWikiGapに参加してみませんか? 午前中は、生誕135年を迎えた山川菊栄のこの1年をホットな最新情報とともにお伝えするミニレクチャー、午後はワイワイガヤガヤ教えあい助け合いながら、Wikipediaの記事をまとめていきます。初心者の方も大歓迎です。  

主催:WikiGapかながわ実行委員会
共催:神奈川県立図書館 
後援:山川菊栄記念会
<ダウンロードできます>*チラシ *プレスリリース資料

◆日時:2025年3月2日(日) 10時00分から16時30分
◆場所:神奈川県立図書館 本館4階 学び⇔交流エリア
https://www.klnet.pref.kanagawa.jp/user…/access/yokohama/
◆定員:20名(先着順)
◆参加費:無料
◆申込み期間:2025年2月27日(木)まで
◆申し込み方法:こちらのフォームからお申し込みください。複数人で参加希望の場合、お手数ですがお一人ずつお申し込みください。https://forms.gle/DdV8amtoQR7UxxaAA
※FBイベントページへの参加表明のみでは申し込み扱いになりませんのでご注意ください。

◆問い合わせ: kipring アットマーク mcn.ne.jp (田子)

◆プログラム 9:30 受付
10:00 開会
ミニレクチャー
・WikiGapについて(WikiGapかながわ実行委員会)
・「☆生誕135年☆いま、もっと新しい山川菊栄を! ここ1年の新たな動きを中心に」(山川菊栄記念会・山口)


11:30-13:00 昼休み

13:00

ウィキペディアの編集方法について(WikiGapかながわ実行委員会・田子)
神奈川県立図書館の使い方・資料紹介(県立図書館)
調査・執筆

16:00 ふりかえり
16:30 閉会

◆ウィキペディアアカウントの事前取得について
ウィキペディアに記事を作成・投稿するためには、アカウントが必要です。お持ちでない方は、事前に取得のうえ、ご参加ください。
PCの場合、ウィキペディアのページ右上「アカウント作成」から。スマホの場合、左上のメニューの「ログイン」からアカウントの作成ができます。

◆持ち物(可能な方のみ。お持ちいただかなくてもご参加いただけます)
ノートパソコンもしくはタブレット端末、パソコンの電源ケーブル
※Wi-Fi環境あり

◆昼食について
会場(県立図書館本館4階学び⇔交流エリア)では、ご持参いただいた食事をとることができません。昼食は、次のいずれかの方法でお済ませください。昼食休憩は長めに90分確保します。

1)昼休み中に近隣の飲食店に行く(飲食店の多いエリアまでは片道徒歩10分程度かかります)
2)持参、あるいは近隣の売店・コンビニ等で調達し、県立図書館本館のリフレッシュエリア(飲食可能なスペース)を利用する。ただし休日のため混雑が予想され、空席が確保できない可能性あり。
3)会場近くにあるカフェ「chant」https://www.instagram.com/chant_yokohama/ を利用(ランチプレート1200円程度。席数が限られているため事前申し込み推奨。申し込みフォームにてお知らせください)

昨年と同様、席数に限りがありますので、お申し込みは早めにお願いします。

『婦人のこえ』復刻版が六花出版から刊行されました。

昨年のNHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」のモデルで、日本で最初に弁護士となる女性たち三人のうちの一人、久米愛が『婦人のこえ』に登場していることは、以前このニュースで紹介しました。戦後のGHQ占領下、山川菊栄は労働省婦人少年局長として、全国の婦人少年室との情報の共有化をめざして『婦人少年局月報』を発刊しました。そして、労働省を退いてから社会党左派の準機関誌として創刊したのが『婦人のこえ』でした。

その『婦人のこえ』(1953年10月号~1961年9月号)の復刻版がこのほど六花出版から刊行されました。全8巻で昨年11月に4巻が、鈴木裕子さんの解説とともに配本され、のこり4巻が今年の5月とのことです。大学図書館やお近くの公共図書館で、ぜひリクエストをお願いします。

『婦人のこえ』の編集過程については、実質的に編集実務を一手に引き受けていた菅谷直子さんが最も詳しく書き残しています。いよいよ刊行経費に行き詰ったとき、山川菊栄が夫・均の遺品であった古く重いオーバーコートを手にして、知り合いの男性たちに買い手を求めるエピソード(『不屈の女性‐山川菊栄の後半生』海燕書房、1988年)はとても印象的です。厳しい言論弾圧を経験した菊栄にとって、自由に心おきなく執筆できるメディアを女性たちの手で作り出すことは長い間夢にみていたことだったにちがいありません。このエピソードからは、なんとしても刊行を継続させたいという菊栄の強い意思が感じられます。

晩年の山川菊栄と同居し、さきごろ亡くなった岡部雅子さんもこの『婦人のこえ』に着目し、山川菊栄文庫では欠けていた分について各機関を調査して丹念に総目次をつくり、菅谷さんの晩年の著書『来しかたに想う』(岡部氏と佐久間米子氏の共同刊行による私家版)に掲載しました。

山川菊栄記念会の代表だった故・井上輝子さんは、この岡部さんの仕事を生かしたいと考えて、関係者の了解のうえ、「日本婦人問題懇話会の軌跡サイト」内でオープンソースとしてPDF公開するようにしたのは、2016年9月のことでした。『婦人のこえ』終刊後、すぐに立ち上げていったのが婦人問題懇話会でした。このファイルは、Ctrlキー+FでPDF内のテキスト検索も可能です。六花出版復刻版と合わせて、ぜひご活用いただければと思います。参照引用条件は、第1頁下の表示にある、クリエイティブコモンズ4.0(非営利・参照元表示・改変禁止)ということでよろしくお願いいたします。

今年は山川菊栄の生誕135年です。どうぞよろしくお願いいたします。

あけましておめでとうございます。

2025年は、1890年11月3日に生まれた山川菊栄の生誕135年にあたる年となります。巷では昭和100年といってみたり、また戦後80年という節目ともいわれますが、明治、大正、昭和を生きた山川菊栄とともに、それらを横断しながらジェンダー平等の進展を見つめ、未来への一歩が刻まれるような年になればと思います。

この記念会ニュースは2022年に開始以来2年半を経過しました。

昨年のトピックを振り返ると、3月開催のWikigap in Kanagawaで山川菊栄にフォーカスした講演会が組まれました。Wikigapの活動のおかげでWikipageの山川菊栄もとても充実したものになりました。これに合わせて『資料部情報』で「山川菊栄の翻訳文献一覧表—原著とその作者にみる国際性」(ベータ版1.0)を公開しました。

4月に藤沢のBOOKYさんで行われたドキュメンタリー映画上映会を機として、5月から読書会が始まり、毎回10人前後の参加者を得て、「わが住む村」を地元で読みながら11月まで5回続きました。そして12月にはシェア書店BOOKYさんの一画に山川菊栄の棚が設けられました。小さな一歩ですが、山川菊栄が戦中戦後と生活した藤沢で、こうした活動がうまれたことは本当に大きなできごとです。運営関係者のみなさま、そしてこの記念会ニュースをみて、BOOKYさんに足を運んでくださったみなさまに改めて感謝申し上げます。次回1月11日に開催します。参加者を受け付けています。

なお、あい女性会議神奈川のメンバーを中心とした山川菊栄の読書会もほぼ月1回のペースで継続中です。すでに岩波文庫の山川菊栄評論集を読み終わり、『山川菊栄集 評論篇』(岩波書店)から選択した読み方で第1巻を終え、昨年末第2巻に入りました。

2月にはすてっぷ・とよなか男女共同参画推進センターで、山上千恵子監督も参加してのトークショーとともに、ドキュメンタリー映画「山川菊栄の思想と活動 姉妹よ、かく疑うことを習え」の上映がありました。3月には、杉並の「国際女性デーミモザまつり」に市川房枝と山川菊栄のパネル展示、5月に同じく杉並で「杉並女性団体連絡会」の読書会があり「自由社会における妻と母」『山川菊栄評論集』よりを輪読。つづく6月には千代田区男女共同参画センターでのパネル展(その後日比谷図書館でも展示)、9月の船橋市の男女共同参画フェスティバル、10月から開催の鴎外記念館企画展での山川夫妻のはがき展示(1月13日まで開催)と、国内各所でさまざまな企画があり、山川菊栄を取り上げていただきありがとうございました。船橋市では、山川菊栄記念会が作成したパネルA1版9枚の展示と、ドキュメンタリー映画の上映も行われました。

山川菊栄誕生月である11月には、日仏会館100周年記念の日仏シンポジウムで元ジュネーブ大学教授のピエール・F・スイリ氏により山川菊栄が大きく取り上げられました。1924年に菊栄が発表した「人種的偏見・性的偏見・階級的偏見」(『雄弁』1924年6月号)」がインターセクショナリティ(交差性)の先駆的な作品であることを大きくアピールされました。山川菊栄文庫には仏語辞書も入っており、彼女とフランスとの関係の探求は今後の新しい課題となることでしょう。

2024年は2月に赤松良子さん、3月に有賀夏紀さん、そして12月に岡部雅子さんと山川菊栄ゆかりの方々とのお別れの知らせが続きました。改めてこころからご冥福をお祈り申し上げます。

この一年のスタートにあたり、先人のみなさまの足跡を大切にしながら、山川菊栄についてさまざまな情報発信に努めていきたいと思う次第です。生誕135年関連のイベント企画がありましたら、お気軽に事務局までお問合せいただければ幸いです。また、こちらの記念会ニュースでも広報させていただきたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。