ついに到着!『未来からきたフェミニスト』

先日、新刊予告を出しました、花束書房さんの渾身の一冊『未来からきたフェミニスト 北村か兼子と山川菊栄』が送られてきました。書影では分からなかった、表紙の濃いバイオレットのエンボスは写真ではなかなか表現できない繊細なものですが、なんとか撮影してみました。

山川菊栄を現代に読み直す意義は何か、若い感性で説かれる論考がずらりと並んでいます。

これまであまり紹介されてこなかった、婦人少年局長室前で珍しく明るい笑顔を見せる山川の写真も掲載されています。官庁初の女性局長として自信をつけ、また部下への包容力も増してきたことが伺える一枚です。

この写真を含む神奈川県立図書館蔵の山川菊栄文庫関連資料の整理については、長く記念会で取り組んできました。整理の状況については、この本に収録された事務局長山田による書簡の一部紹介のほか、座談会内容でも触れています。

先ごろ一段落の区切りをつけ、新収蔵庫改修に向けて図書館側に引き渡しを終えました。2年後の再開に向けて、このサイト内で追々、発掘された資料の紹介をしていく予定です。

神奈川県立図書館新館の展示期間が延長されました

以前お知らせした「性と社会の今。人として自分らしく生き抜く」展での男女共同参画図書や山川菊栄文庫の資料展示は、期間延長となり、6月4日(日)までご覧いただけます。

山川菊栄文庫の資料では、労働省婦人少年局資料の「だからわたくしたちは婦人団体を作りました」(1950年秋~1951年頭か?)というパンフレットが展示されています。カラー用紙を使った日本語版と、生成り色単色の英語版という大変珍しいものです。縦型のB6判変形で、昔のコクヨの電話帳のように紙の大きさを変えインデックスごとに頁がめくれるようになっている凝った作りになっています。英語版はGHQとの関係で作成されたものと思われます。

山川菊栄文庫関連資料の整理も最終盤を迎えており、いま展示されている資料も含めて
まもなく収蔵庫改修のため令和8年以降まで非公開となります。

この機会にぜひご覧ください。