今年は山川菊栄の生誕135年です。どうぞよろしくお願いいたします。

あけましておめでとうございます。

2025年は、1890年11月3日に生まれた山川菊栄の生誕135年にあたる年となります。巷では昭和100年といってみたり、また戦後80年という節目ともいわれますが、明治、大正、昭和を生きた山川菊栄とともに、それらを横断しながらジェンダー平等の進展を見つめ、未来への一歩が刻まれるような年になればと思います。

この記念会ニュースは2022年に開始以来2年半を経過しました。

昨年のトピックを振り返ると、3月開催のWikigap in Kanagawaで山川菊栄にフォーカスした講演会が組まれました。Wikigapの活動のおかげでWikipageの山川菊栄もとても充実したものになりました。これに合わせて『資料部情報』で「山川菊栄の翻訳文献一覧表—原著とその作者にみる国際性」(ベータ版1.0)を公開しました。

4月に藤沢のBOOKYさんで行われたドキュメンタリー映画上映会を機として、5月から読書会が始まり、毎回10人前後の参加者を得て、「わが住む村」を地元で読みながら11月まで5回続きました。そして12月にはシェア書店BOOKYさんの一画に山川菊栄の棚が設けられました。小さな一歩ですが、山川菊栄が戦中戦後と生活した藤沢で、こうした活動がうまれたことは本当に大きなできごとです。運営関係者のみなさま、そしてこの記念会ニュースをみて、BOOKYさんに足を運んでくださったみなさまに改めて感謝申し上げます。次回1月11日に開催します。参加者を受け付けています。

なお、あい女性会議神奈川のメンバーを中心とした山川菊栄の読書会もほぼ月1回のペースで継続中です。すでに岩波文庫の山川菊栄評論集を読み終わり、『山川菊栄集 評論篇』(岩波書店)から選択した読み方で第1巻を終え、昨年末第2巻に入りました。

2月にはすてっぷ・とよなか男女共同参画推進センターで、山上千恵子監督も参加してのトークショーとともに、ドキュメンタリー映画「山川菊栄の思想と活動 姉妹よ、かく疑うことを習え」の上映がありました。3月には、杉並の「国際女性デーミモザまつり」に市川房枝と山川菊栄のパネル展示、5月に同じく杉並で「杉並女性団体連絡会」の読書会があり「自由社会における妻と母」『山川菊栄評論集』よりを輪読。つづく6月には千代田区男女共同参画センターでのパネル展(その後日比谷図書館でも展示)、9月の船橋市の男女共同参画フェスティバル、10月から開催の鴎外記念館企画展での山川夫妻のはがき展示(1月13日まで開催)と、国内各所でさまざまな企画があり、山川菊栄を取り上げていただきありがとうございました。船橋市では、山川菊栄記念会が作成したパネルA1版9枚の展示と、ドキュメンタリー映画の上映も行われました。

山川菊栄誕生月である11月には、日仏会館100周年記念の日仏シンポジウムで元ジュネーブ大学教授のピエール・F・スイリ氏により山川菊栄が大きく取り上げられました。1924年に菊栄が発表した「人種的偏見・性的偏見・階級的偏見」(『雄弁』1924年6月号)」がインターセクショナリティ(交差性)の先駆的な作品であることを大きくアピールされました。山川菊栄文庫には仏語辞書も入っており、彼女とフランスとの関係の探求は今後の新しい課題となることでしょう。

2024年は2月に赤松良子さん、3月に有賀夏紀さん、そして12月に岡部雅子さんと山川菊栄ゆかりの方々とのお別れの知らせが続きました。改めてこころからご冥福をお祈り申し上げます。

この一年のスタートにあたり、先人のみなさまの足跡を大切にしながら、山川菊栄についてさまざまな情報発信に努めていきたいと思う次第です。生誕135年関連のイベント企画がありましたら、お気軽に事務局までお問合せいただければ幸いです。また、こちらの記念会ニュースでも広報させていただきたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。