竹中恵美子さんを偲ぶ会に参列して


10月11日に大阪ドーンセンターで、山川菊栄記念会で活躍された女性労働研究者の竹中恵美子さん(7月1日逝去、享年95)を偲ぶ会が開催されました。同じ日の午前には、「第56回大阪社会運動物故者顕彰・追悼式」が行われ、竹中さんもおつれあいの姜在彦さんと並んで顕彰されました。


大阪をフィールドに広く女性の活動に関わってこられた竹中さんらしく偲ぶ会の実行委員会は、「高齢社会をよくする女性の会・大坂」「フォーラム労働・社会政策・ジェンダー」「一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団」「一般財団法人大阪いきいき財団」の4団体、協力団体には「あい女性会議大阪」「認定NPO法人ウイメンズアクションネットワーク」「公益財団法人大阪社会運動エル・ライブラリー」「公益財団法人大阪YWCA」「ふぇみん大阪」「部落解放同盟大阪府連合会女性部」とが連なり、その活動の広さと影響力の大きさを物語っていました。


参加者は80名ほどでしたが、お世話になった方々の思いあふれるスピーチが行われ続きました。記念会からは事務局長の山田が選考委員・世話人になっていただいていたこと、生誕100年の時、竹中さんが話された「保護と平等・対立の構造を斬る~山川菊栄の女性労働論」と「日本におけるマルクス主義フェミニズムの源流~山川菊栄の今日的意義」の二つが、山川菊栄研究の礎になる功績だと紹介しました。このなかで、竹中さんは「私が菊栄氏に深い思いをよせ、あるいは心酔いたしますのは、一つは、非常に優れた理論家であると同時に、働く女性に対して限りなく熱いまなざしを持った情熱家であった、という点にあります。」と述べられています。これこそまさに、竹中さんそのものではないかと思いますうとお話ししました。また、15年前の山川菊栄のドキュメンタリー映画「姉妹よ、まずかく疑うことを習え 山川菊栄の思想と活動」への出演のことも紹介もしました。偲ぶ会の報告集は12月にでるとのことでした。

竹中文庫は大阪ドーンセンターに入っており、著作や蔵書のほかに「自分史ノート」としてクリアファイルに年度ごとに様々な資料がきれいに整理されていることに感銘を受けました。また大学をお辞めになるときの記念文集のタイトルが「自転車とベレー帽」で竹中さんご自身でつけたとのことでしたが、ベレー帽をかぶってさっそうと大学に向かう竹中さんの姿を彷彿とさせ、この竹中文庫は、竹中ワールドを体感できる空間でもありました。

改めてご冥福をお祈りいたします。(山田敬子)

*追悼展「竹中恵美子文庫」(10月13日で終了しています)へのリンク https://www.jcross.com/exhibit/002701/